企業向けAI対話型ロボットとバーチャルアシスタント
2011年、Appleは自社のスマートフォンにSiriという個人向けバーチャルアシスタントを搭載し、これが世界で初めて広く普及したAI対話型ロボットの商品化となりました。2014年にはMicrosoftがCortanaというバーチャルアシスタントを発表し、同年にAmazonは「Alexa」(Echoスマートスピーカー)を発売し、これも大成功を収めました。また、Googleも2016年にGoogle Assistantを発表しました。現在、AI対話型ロボットやバーチャルアシスタントは、スマートフォン、ウェブサイト、電話、スマートスピーカー、実体ロボットなど、あらゆる場所で見かける製品となり、今後もさらに広範で深い応用が進むと予想されます。つまり、私たちは対話型AIの時代に突入したと言えるでしょう。
ここで、よく混同されがちな「対話型ロボット(チャットボット)」と「バーチャルアシスタント」という2つの用語を簡単に説明します。対話型ロボットは、ユーザーの質問に自動で回答するAIソフトウェアです。バーチャルアシスタントは、質問に答えるだけでなく、ユーザーの指示に基づいて特定のタスクを実行したり、特定の業務フローを案内したりすることができます。また、使用目的に応じて「個人用」「家庭用」「企業用」に分類され、利用方法に応じて「テキスト」「音声」あるいは「テキストと音声」を併用する形でも提供されます。
企業向けの対話型ロボット(またはバーチャルアシスタント)は、マーケティング、営業、カスタマーサポートなどの部門で人件費の削減を支援し、顧客満足度の向上に寄与します。また、企業内外の業務プロセスを自動化する補助的な役割を果たし、企業の生産性向上にも貢献します。言い換えれば、企業のコストセンターと利益センターの両方に効果的に貢献できる存在です。当然、企業向け対話型ロボットの機能は最初から完璧に設計する必要はなく、徐々に強化していくことが可能です。さらに、企業ごとに業務内容や特性が異なるため、それぞれの企業の対話型ロボットは業界知識や業務フローに応じてカスタマイズが求められます。
AI技術の基盤や拡張性、カスタマイズ性などに違いがあるため、市場に出回っている対話型AI(チャットボット)の能力や品質にはばらつきがあります。
以下に、その主な利点と欠点を挙げます。
対話型AIの主な利点
- 24時間365日、いつでも対応可能
- 簡単で繰り返しの多い質問に対して、即座に専門的で正確な回答ができる
- 企業のウェブサイトやLINE、WeChat、Facebook Messengerなど、広く利用されているSNSと連携することで、 高い普及率を誇るこれらのチャネルを通じて、インタラクティブなサービスを提供できる
対話型AIの主な欠点
- 人間の言語の微妙なニュアンスを誤解し、文脈や状況を理解できないことがある
- 複雑な会話や業務の流れには対応しにくい
- ユーザーとAIのコミュニケーションに問題が発生した場合、適切なサポートがなく、ユーザー体験が損なわれることがある
- 一般的な対話型AIでは企業のニーズに十分に応えられず、企業向けのカスタマイズには高額な費用がかかる
これらの課題を解決するため、弊社では、最先端のディープラーニング技術(BERTおよび関連するアルゴリズム)と機械学習技術を活用し、自然言語理解エンジンと文脈に基づく対話管理エンジンを備えた対話型AIの作成・トレーニングプラットフォームを独自に開発しました。さらに、企業が専用の対話型AIを導入した後も、その知識を定期的に更新・強化できるよう、直感的で使いやすい人間とAIの対話データ管理プラットフォームも提供しています。このプラットフォームを利用すれば、企業は専門的な技術的知識がなくても、少人数でAIのトレーニングやテスト、更新を効率的に行うことができます。
また、企業向けの対話型AIは、顧客や従業員とのインタラクションを通じて、多くの貴重なデータ(顧客からの問い合わせ内容や業務プロセスの記録など)を収集します。これらのデータは、分析や予測に役立つ重要な情報源となり、企業の意思決定に大いに貢献します。したがって、対話型AIの導入は、企業のデジタル化を加速するための重要な第一歩となります。